子供の頃（高度経済の真っ只中！）あちらこちらで聞こえる大工さんの金鎚の音、威勢のいい職人さん達の声、近所の人たちの笑い声、昔の家づくりって、にぎやかで楽しくて今よりもっともっと“男前”だった。
近頃（この先日本はいったいどうなるの？）では、あそこの土地基礎工事やってたけど何が建ってるのかな？・・・、あらためて通ってみるともう出来上がっている、しかも“おすまし顔の無愛想な家”が軒を連ねて建っている。何も早いのが悪いといっているわけじゃなく、新しい素材が悪いといっているわけでもない、しかしこれから先20年30年の住宅ローンを背負った家族（施主）と共に考え作り上げたという“作り手の思い”が伝わってこない。

居場所を失った人たち、方向を見失った現代社会と同様に、今一度原点に返り、古き良き時代の素材・技術、先人たちの知恵、そして現代の機能美、それらを融合させた“いえづくり・ものづくり”に取り組んでゆきたい。　そしてその取り組みが、“ひとづくり”更には“まちづくり”へとつながり、『景気』も、そして『人々の心』も回復軌道に乗ることを願っている。